378:涙点プラグの種類
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
花見の好季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは【涙点プラグの種類】についてです。
★そもそも“涙点”とは何か?
瞼の鼻側の目頭にある穴のことで、涙の排出口の役目を果たします。
涙は目の表面を保護するために瞼の外側の涙腺でつくられ、瞬きによって
目の表面を潤し、内側に運ばれ涙点から鼻に流れていきます。
★“涙点プラグ”とは何か?
上記をふまえ、では涙点プラグとは何なのか。
ドライアイの方のための涙点プラグ挿入術という治療法で使う、
シリコン製のプラグのことをいいます。
涙の排出口である涙点にこのプラグを挿入することで、涙の排出を軽減させ、
ドライアイの原因である涙の分泌量が減ることや、目の表面から蒸発する涙の量が増えてしまうこと等に対する治療として使われます。
私たちの目を潤し、細菌などからも守ってくれる涙ですが、
その大事な涙の逃げ道を塞ぐことで、目の乾燥を防ごうとする治療法が、『涙点プラグ』というわけです。
★涙点プラグの種類
では涙点プラグにはどんなものがあるのかについてです。
おおまかにふたつ、シリコン製とコラーゲン製のタイプに分かれます。
シリコン製のものは、簡単に言えばプラスチック製と考えて頂くと分かりやすいかと思います。
【当院取り扱いプラグ】
○スーパーフレックスプラグ シリコン製
(米国イーグルビジョン社製、国内輸入販売元ホワイトメディカル)は、
フィット性、保持性、快適性に優れており、定評のある製品です。
直径が0.4~1.1ミリと幅広く、ほとんどの方の涙点サイズに合わせる事が可能。
効果: 涙をせき止める力が90%と高い
継続時間:1日から2年半(平均して7ヶ月)くらい
○パンクタルプラグ シリコン製
(製造販売元:株式会社トーメーコーポレーション)は、新型のシリコン製プラグです。
先端が細くなっており、涙点の大きさに関係なくスムーズに装着できます。
欠点は、サイズの幅が広くないことです。
挿入前はプラグが細長くなっており、涙点サイズの計測を行わなくとも挿入が容易にできるようになっています。
効果: 涙をせき止める力が90%と高い
継続時間:1日から2年半(平均して7ヶ月)くらい
○キープティア コラーゲン製
(株式会社高研製)はコラーゲン製涙点プラグでは定評があり、高い国内シェアを持つ製品となります。
コラーゲン製とは、ゼリー状のものとイメージして頂ければとおもいます。
体温により温められるとゼリー状に固まる液体を注入します。
注意点としては、シリコンプラグより効果は弱く、効いている時間も短いため使い捨て感覚で使うものです。強く鼻をかみすぎると取れる場合があります。
※シリコンが怖い方、プラグがあたってしまい合わない方、乾燥の強い季節の時期だけと限定して使用している方が多いです。
効果:涙をせき止める力が75~80%とシリコンに劣る
⇒そのため効果が4つある涙点中2つつめても自覚しにくいため、4つ全ての涙点へ入れないと効果が薄い
継続時間:1ヶ月から3ヶ月
★涙点プラグの挿入にあたって
治療法のひとつとして、簡単に涙点プラグについてご紹介してきましたが、
そもそもドライアイの全ての方に必ずしも涙点プラグの効果があるのかといったら、そうではありません。涙点をふさぐことにより、老廃物が眼に蓄積しやすくなってしまうことや、眼に汚れが蓄積した状態でコンタクトを使用すると、コンタクトにも汚れが付着しやすくなったりするなど、デメリットもあるというのが事実です。
挿入をお考えの際には、ご自身の眼の状態と、担当医の先生とよく相談してご検討頂くことをおすすめします。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。