354:2種類の点眼をする際に気をつけること
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
すっかり秋らしい季節になってまいりました。
体調管理には、十分お気をつけ下さい。
今回のテーマは「2種類の点眼をする際に気をつけること」です。
まずは、正しい点眼の方法についてです。
<正しい点眼薬のさし方>
○点眼後の注意
点眼後は、1分間ほど静かにまぶたを閉じます。この際にはまばたきをせず、目頭(涙嚢部)を軽く押さえます。これは鼻涙管へ薬剤が流れ出ることを防ぎ、効果を高めるためです。
○あふれた点眼薬は清潔なガーゼやティッシュで拭き取る
あふれた点眼液は、その成分や添加剤によりまぶたなどに炎症を起こす可能性があります。また、緑内障治療薬のなかでプロスタグランジンF2αに分類されるものは、点眼液による虹彩や瞼への色素沈着やまつ毛が濃くなることが知られており、点眼後に目の周りに付いた点眼薬をきちんとふき取るようにしましょう。
<2種類以上の点眼薬を使用する際の注意>
○ 5分以上時間をあける
複数の点眼薬が処方される場合も多くありますが、その際には点眼と点眼の間隔を5分以上あけるようにしましょう。
間隔をあける目的は、先に点眼した液が、後に点眼した液によって洗い流されるのを防ぐことが目的ですが、結膜嚢内の涙液が完全に置き換わるのに約5分かかるので、注意が必要です。
○医師の指示に従う
複数の点眼液を使用する場合の点眼順序は、多くの場合決まりはありませんが、あえて点眼順序をつけるとするならば、原則としてよく効かせたい方を後に点眼します。もちろん、医師から指示が出ている場合は、必ずそれに従うようにして下さい。
<注意点>
手には多くの雑菌が存在するため、これらの菌によって眼が汚染されないように点眼前には手洗いを行いましょう。点眼薬のキャップを外すときにも、容器の先に指が触れないように注意しましょう。
容器の先が眼に触れると涙液が逆流し、点眼容器内の薬液が眼脂などで汚染されるおそれがあります。眼の真ん中に点眼する必要はないので、片方の手で下瞼を引いて、下瞼の内側に落とすようにすれば、安全に、かつ確実に点眼することができます。