344:閃輝暗点とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
暑さ厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
水分補給をしっかりして熱中症にお気を付けください。
さて、今週のテーマは「閃輝暗点とは」です。
■閃輝暗点(せんきあんてん)とは
閃輝暗点(せんきあんてん)とは、光のギザギザのようなものが5~20分くらい続けて見える症状です(図1)。
片頭痛の前兆として有名な症状で、片頭痛を起こす人の1~2割程度に見られます。
光のギザギザが収まった頃に、引き続いて頭の痛みが生じます。
閃輝暗点は若い人に起こりやすく、年齢を重ねるにつれて発症回数が減っていくという特徴があります。
なかには閃輝暗点のみがあり、頭痛が起きない場合がありますが、その場合は注意が必要です。血栓による一過性の脳循環障害の可能性があるからです。
■原因
眼球自体に異常はありません。閃輝暗点が起こる原因は、脳にある視覚野の血管が収縮してしまい、一時的に血の流れが変わってしまうことにあると言われています。
また、ストレスや睡眠不足などによる目の疲れによって、視神経がある後頭葉に血液を送っている血管がけいれんを起こし血流が減少するために起きるとも言われています。
また、これに伴う片頭痛は、血管のけいれんが治まって血管が開くことで血液が大量に流れ込むことによるとされています。
■治療法
残念ながら特効薬はありません。閃輝暗点の予防には血管拡張作用のある薬、片頭痛には逆に血管収縮作用のある薬が効果的であるとされていますが、副作用などもあるので薬の服用が絶対的に良いとは言えません。
まずストレスや睡眠不足、疲れを防ぐような生活を心がけるようにしましょう。
■頭痛を伴わない方へ
閃輝暗点のみで頭痛を伴わない方は脳腫瘍、脳梗塞、脳動静脈奇形や血栓による一過性の脳循環障害の可能性が疑われます。
当院で医師による診察を受けていただいたのち、必要であれば神経内科へのご紹介も行っておりますので、どうぞ一度ご来院ください。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。