網膜剥離の手術方法について | 新宿駅東口徒歩1分の眼科|新宿東口眼科医院
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336:網膜剥離の手術方法について

こんにちは。
新宿東口眼科医院です。
もうすく夏本番ですね。夏バテには十分気をつけましょう。
今週のテーマは『網膜剥離の手術方法』についてです。

網膜剥離とは
網膜が眼底から剥がれてしまう病気です。正確にいうと網膜は感覚網膜という光を感じとる層と、その土台となっている色素上皮と呼ばれる層があり、感覚網膜が色素上皮から剥がれるのが網膜剥離です。

<裂け目ができている場合>
網膜にできた裂け目を塞ぐ処置には「光凝固法」があります。瞳孔から網膜の穴にレーザーを照射して焼き付けます。この処置を行うと、裂け目の周囲の網膜とその下の組織がくっつくため、網膜が剥がれにくくなります。

<網膜がすでに剥がれている場合>
すでに網膜剥離が認められる場合には、剥がれた網膜を元の位置に固定する必要があります。そのための手術には、「硝子体手術」や「強膜バックリング法」などがあり、網膜剥離の症状に応じて対応が異なります。

①強膜バックリングによる網膜復位術
網膜の外の組織(強膜)を目の内側に向けて凹ませて、剥離した網膜を色素上皮に近づけ、硝子体のひっぱりをゆるめます。
そのためにまず、網膜裂孔に対応する眼球の外側にシリコンスポンジを縫いつけて、眼球を内側に凹ませます。そして、網膜裂孔のまわりを凝固してふさぎます。凝固には冷凍凝固や熱凝固、網膜光凝固などを利用します。
網膜の下にたまった液体が多い場合には、強膜側から針のような穴をあけて外に出します。
網膜裂孔の状態によっては、硝子体内にきれいな気体を注入して、裂孔部を硝子体側からふさぐことがあります(硝子体ガス注入術)。注入した気体は自然に吸収されますが、それまでうつ伏せ姿勢などの体位制限が必要となります。

②硝子体手術
網膜剥離の程度や裂孔の位置によっては、網膜裂孔の原因となった硝子体のひっぱりを直接とる硝子体手術をすることがあります。とくに硝子体出血を合併していたり、裂孔が大きかったり、網膜剥離が進行して増殖膜を合併(増殖性硝子体網膜症)している場合に有用になります。
図7のように硝子体内に精巧な器具を挿入して(通常3か所から)、硝子体や網膜をひっぱっている膜状組織を除去します。続いて硝子体内に気体を注入して、剥がれた壁紙を壁に戻すように、剥離した網膜を気体で網膜色素上皮側におしつけます。
目のなかには、絶えず新しい水分(房水)がつくられていて、その液体に浮いた気体の浮力で網膜裂孔をふさぎます。
網膜裂孔は手術中に凝固しますが、凝固部位が瘢痕化するには約1週間かかり、それまでうつぶせ姿勢などの体位制限が必要となります。

●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。


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