327:緑内障の検査って何するの
緑内障を診断するためには下記の検査があります。
1.視力検査
眼鏡やコンタクトレンズでしっかり矯正して、どの程度視力が出ているかを調べます。緑内障だけで早期に視力が落ちることはありません。
2.眼圧検査
眼圧が高ければ緑内障を疑うことができるのですが、正常眼圧緑内障の人が最も多いので、「眼圧が正常だから大丈夫」ということはありません。
眼圧は、血圧と同じように日内変動や季節変動というものがあるので、検査する時間なども記録しておきます。
3.スリットランプ検査
前房の状態を観察します。隅角の狭そうな人の場合、ある程度ここで見つかります。しかし、前房が少し浅いというだけでは緑内障とは言えません。また前房の深さが十分ある開放のタイプの緑内障の人が多いので、前房を見ただけで緑内障ではないと区別することはできません。隅角の状態を詳しく見るためには、検査用のレンズを眼にはめて隅角検査をすることもあります。
4.眼底検査
目薬(散瞳薬)で黒目を大きくする「散瞳(さんどう)」の状態にして眼底を検査し、さらに眼底撮影をすると、視神経乳頭の陥凹性変化や、網膜の状態(網膜線維層欠損など)、緑内障性乳頭出血などもよく分かります。
散瞳後の検査 眼底カメラ
眼底カメラによる眼底撮影所要時間は5分程です。
5.視野検査
中心の固視点あるいは固視灯を見た状態で光、あるいは指標が見えたらボタンを押して視野(見えている範囲)に欠損している所や感度の低下しているところが無いかを調べる検査です。そのデータにより、緑内障の有無、緑内障の進行レベルがわかる重要な検査です。
当院には主に緑内障のスクリーニングに用いられるFDT、主に中心部の視野についてお調べする静的量的視野計のハンフリー視野計、視野全体を調べる動的量的視野計野ゴールドマン視野計などがあり充実しています。
FDTスクリーナー
ゴールドマン視野計
6. OCT(光干渉断層計)
眼の中の網膜とよばれる部分の断面図を調べます。
視神経と網膜神経線維層の断面画像を撮影することができるので、視野が欠ける(自覚)症状が現れる前に緑内障による網膜視神経線維層の欠損を捉える事ができ緑内障の早期発見などに有効です。
緑内障は自覚症状のないまま進行することが多い病気です。
緑内障の疑いがあると言われたことのない方でも40歳以上を過ぎたら1年に1回は必ず眼科で検査を受けることをおすすめしております。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。