321:暗闇で目が慣れるわけ
眼には、『虹彩』という光が目に入る量を調節する器官があります。瞳孔散大筋と瞳孔括約筋という二つの筋肉により支配されており、通常は約3mm~4mmです。しかし暗闇に入ると、この『虹彩』がより多くの光を取り込もうと開き、最大で約8mmほどまで広がります。
そして網膜にある光を感じる役割を持つ杆体細胞が働くことによって、暗闇でも物を見ることが出来ます。杆体細胞とは網膜の細胞の一つであり、主に暗い所で働きます。明るい所で働く網膜の細胞は錐体細胞といいます。
暗いところに居ると徐々に物が見えてくることを眼科用語で『暗順応』といいます。『暗順応』は杆体細胞が働き、光を感じる物質(ロドプシン)が増えることで、弱いわずかな光を感じ、暗闇でも徐々に見えてくるようになります。このロドプシンは増えるのに時間がかかるので、『暗順応』が完了するのに30分ほど掛かります。ですので、暗闇に入ってすぐに物は見ることが出来ません。『暗順応』が少しずつ始まることで徐々に見えていきます。逆に明るいところではロドプシンが分解されます。この作用で、暗いところでも明るいところでも物を見ることができます。
上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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