316:眼精疲労の原因と対処法
☆鑑別診断
眼精疲労の原因は様々ですが、当院ではまず初めて来院された患者様に現在の症状を詳しくお伺いし、単なる眼精疲労なのか、ほかに眼科疾患があるのかを丹念に調べます。
他に眼科疾患が発見できない場合は、眼精疲労の原因、対策、治療を検討していきます。
☆眼精疲労の主な原因として
1屈性異常
2ドライアイ
があげられます。
1屈折異常
近視・遠視・乱視が未矯正、使用している眼鏡やコンタクトレンズの度数が適切でない場合が多いです。
視力検査で、自分の屈折度数をしっかり測定し、適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、眼精疲労が軽減する場合があります。
2ドライアイ
目は、涙を含めて一つのレンズとして働くため、涙が少ない・または質が悪いと目に鮮明な像が映りません。ぼやけた像を綺麗にしようと目の筋肉が働くため、ドライアイによって眼精疲労が引き起こされることもあります。
涙の量を測定する検査でドライアイの状態を確認し、コンタクトを乾きにくいものへ変更する、点眼や涙点プラグ等の治療を行うことができます。
上記以外にも、眼瞼下垂、斜視・弱視、緑内障などによっても眼精疲労が引き起こされる場合もあります。
原因や症状は様々で、個人差もありますので
ご予約の上お気軽にご相談ください。
☆対処法
①ご自分で出来ること
●視環境の改善
・パソコンやデスクの位置を適度に顔から離し、前かがみの姿勢にならないようにしてください。
・目線よりもやや下方にディスプレイを置いてください。
・電灯などの反射がディスプレイに写りこんでいるようなら、ディスプレイをズラして反射を防ぐなどして対処してください。
・エアコンの風が直接目に当たらないように配慮してください。
・できるだけこまめに休憩をとり、遠方を眺める時間をおつくりください。
●目を温める
・濡らしたタオルをレンジで温めて蒸しタオルを作る等して目を温め、周辺の血行を良くしてください。
●パソコン画面が反射してしまう場合は、専用のフィルターを使用していただく。
●目を温める際に市販のホットアイマスク等を使用してください。(10枚ほど入って500~1000円程度で売っている事が多いです)
●マッサージで肩などをほぐし、血行の改善を図ってください。
②当院でできること
●屈折矯正のご相談
・近用眼鏡(老眼鏡)を作成されることで疲労が改善される場合があります。
・近用眼鏡以外でも、現在使用されている眼鏡・コンタクトレンズを適切な度数へ調整することによって疲労が改善する場合があります。
・遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズをお使いいただくと疲労の改善ができる場合があります。
※上記遠近両用コンタクトレンズ、遠近両用メガネの処方のご相談は常時受付けております。
●アイホットを用いて目を温め、血行を良くする
アイホットとは:皮膚への浸透力のある赤色光を使用したアイマスクタイプのあんぽう器で、温熱治療と同時に眼のまわりの湿度を保つことができます。眼を温めることにより、マイボーム腺の油分の分泌を促進させ、目の疲れを癒します。詳しくは医師にご相談ください。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。