315:結膜下出血にはどうしてなるの
寒くなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週のテーマは「結膜下出血はどうしてなるの?」です。
○結膜下出血とは
結膜下出血とは、結膜下の小さい血管が破れ出血したものです。程度はさまざまで、黒目の横がわずかに赤くみえる程度のものから黒目の周囲が真っ赤で、黒目の下の方には血が固まったようになるものまであります。充血とは違い,赤い線が増えるのではなく,赤く染まったように見えます。
○結膜下出血の原因
結膜下出血の原因はいろいろとあります。 1、眼局所の要因、2、全身性疾患、3、原因不明のものの3つにわけられます。ただ大半は原因不明のことが多いです。
〈1、眼局所の要因〉
・眼外傷、手術によっておこるもの
穿孔性眼外傷は感染の予防などのため直ちに穿孔部を閉じる必要があります。 なかなか消えない結膜下出血は穿孔性眼外傷が隠れている場合もありますから、眼科医に相談して下さい。
・ 急性結膜炎にともなっておこるもの
急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎などにおこります。この場合は、痛みや目やに、 涙が増えるなどの自覚症状があります。眼科の診察を受け、ほかの人にうつさないよう十分注意して下さい。
〈2、全身性疾患〉
・動脈硬化、高血圧、糖尿病、出血性素因(貧血、白血病、紫斑病など)、 腎炎にともなっておこるもの
繰り返し結膜下出血がおこる人は上記の疾患の疑いがあります。内科で異常がないかどうかしらべてもらって下さい。 ほとんどの場合、結膜下出血がおこった後に眼底出血がおこることはありません。しかし、上記のような疾患が原因の場合は眼底出血がおこり、失明することもありますので注意して下さい。
・急性熱性疾患にともなっておこるもの
マラリア、猩紅熱(しょうこうねつ)、ジフテリア、コレラ、発疹チフス、インフルエンザ、麻疹などでも結膜下出血がみられます。原因疾患の治療を最優先して下さい。
〈3、原因不明のもの〉
誘因がはっきりしないことも多いですが、いくつかの誘因を挙げておきますと、くしゃみ・せき、過飲酒、月経、水中メガネのしめすぎなどです。
このように、結膜下出血と言っても、様々な要因があります。ご自身では判断はつかないと思いますので、まずは受診をおすすめします。
● 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
● 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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● 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。