312:目をこすってはいけない理由
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
段々と寒くなってきましたが、皆様お変わりありませんか。
今回のテーマは「目をこすってはいけない理由」についてです。
普段、目にゴミが入ったときや、目がかゆいとき、反射的に目をこすってしまうことがあると思います。
しかし、それは目にとって悪影響を及ぼすことがあります。
● どうして目がかゆくなるの?
かゆみは、多くの場合「ヒスタミン」という物質が関わって起こります。
何らかの刺激が目の結膜からヒスタミン、ロイコトリエンが分泌され神経を刺激し、
それが脳に伝わることでかゆみを感じます。さらに、そこでかいてしまうと
多くのヒスタミンが放出されるためよりかゆみがひどくなり悪循環に陥ります。
原因としてよく知られているのが花粉症やハウスダストなどによるアレルギー性結膜炎、
その他にものもらい・細菌・ウイルスなどが原因で結膜炎になった場合にも炎症により
かゆみが起こります。また、ドライアイなどの目の乾きで感じるかゆみ、コンタクトレンズを
装用していて炎症がおきたり、レンズの摩擦でかゆみを感じることもあります。
他にもさまざまな原因が考えられます。
●こするとどうなるの?
① 目の表面に傷がつく
目の表面は、外的刺激から目を守るバリア的な働きをしています。
しかし、目をこすることで表面に傷ができると、そのバリア機能が弱ってしまいます。
それにより、痛みを伴う角膜びらんや白目が腫れてしまう結膜浮腫、
他には充血や結膜下出血が起こり得ます。目をかくのが癖になってしまうと、
角膜が変形してしまい円錐角膜といった眼球が突出して視力不良になる病気となる可能性もあるので、
むやみやたらに目をこすると危険です。
② 感染を起こす
片眼に流行性角結膜炎などの感染性の結膜炎を起こしている場合、
両眼を交互にこすってしまうと感染してない方の目まで感染してしまう可能性があります。
また傷口から細菌などが入り感染症を起こす場合も考えられます。
● 対処法は?
もしかゆくなった場合に、こすらずに対処する方法は清潔なタオルを冷たい水で洗い、
目にあてます。そうすることで、かゆみを軽減させることができます。
また、花粉症などをお持ちの方は花粉避けの眼鏡などをして花粉症対策をし、
こまめに洗眼をします。またコンタクレンズをお使いの方は、コンタクトに花粉等のアレルゲンや
炎症の物質が蓄積し、より強い炎症を引き起こす場合があります。
汚れをきちんと落とす為にしっかりこすり洗いをするか、もしくは1日使い捨てのレンズに変えることをおすすめします。
かゆみの原因がアレルギー性結膜炎などの場合は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を
点眼する必要がありますので、眼科を受診されてください。
もしかゆみがおさまらず、かいてしまい目に症状が出た場合などは放っておかず、
お気軽に当院までご相談ください。
● 上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
● 一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
● 無断での記事転載はご遠慮下さい。
● 本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。