298:糖尿病性網膜症とは
こんにちは、新宿東口眼科医院です。暑い日が続きますね。皆様いかがお過ごしでしょうか。今回のテーマは「糖尿病網膜症とは」です。
1)糖尿病網膜症とは
糖尿病の三大合併症の一つです。血糖の高い状態が続く事により網膜血管の閉塞や、新生血管の増殖、硝子体出血などをきたします。
2)Davis分類
2-1)単純糖尿病網膜症
毛細血管瘤、点状出血、斑状出血、硬性白斑などをきたします。眼科的な自覚症状はほとんどありません。
2-2)前増殖糖尿病網膜症
出血や硬性白斑の増加、軟性白斑、血管の拡張などをきたします。かすみなどを訴えることもありますが、多くの場合で自覚症状はありません。
2-3)増殖糖尿病網膜症
新生血管が増殖し、硝子体や網膜へ伸びていきます。新生血管緑内障や、新生血管が破裂することによる硝子体出血や網膜剥離を発症し、飛蚊症や視力低下をきたします。
3)糖尿病網膜症の検査
3-1)精密眼底検査
散瞳剤を点眼し瞳孔を開き、眼底の状態や疾患を調べる検査です。
3-2)光干渉断層計(OCT)
近赤外線の反射を調べ、網膜の浮腫などを観察することのできる検査です。
3-3)蛍光造影眼底撮影
造影剤を静脈に注射し、網膜血管の漏出などを観察することのできる検査です。
4)糖尿病網膜症の治療
内科的治療:適切な運動や食事療法を行い血糖のコントロールを行います。
網膜光凝固術:レーザーで網膜を焼き固め新生血管の増殖を抑制し、焼いた部分の網膜症の進行を阻止します。
硝子体手術:網膜剥離や硝子体出血が起こった場合、手術をして硝子体の切除や薬物注入・膜の切除などを行います。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。