291:目のしくみについて
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
そろそろ梅雨の季節が近づいてきましたね。体調をくずされないようお気を付けください。
今回のメルマガのテーマは「目のしくみ」についてです。
▼ 眼球の構造
眼球には眼球壁として外側から、外膜、中膜、内膜の3つの膜があります。さらに、外膜には角膜・強膜、中膜にはぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)、内膜には網膜があります。また、眼球の内容物は、水晶体、硝子体、房水です。
外膜
・角膜
黒目にあたる部分を角膜といいます。角膜は目の窓の役目をしており、表面は涙の層で覆われています。また、外から目に入った光線を屈折させて、網膜に像が結ぶのを助ける役割があります。
・ 強膜
白目にあたる部分を強膜といいます。厚さ約1ミリの膜です。強膜をさらに細かく分類すると、表層の部分である上強膜と、その下の強膜とに分けることができます。眼球の形状を保ち、眼球内容を保護する役目があります。
中膜(ぶどう膜)
中膜であるぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜という3つ部分からできています。
・ 虹彩
虹彩は角膜をとおして茶色に見える部分で、その中心に瞳孔があります。成人で瞳孔径役4mm、高齢者で約2~2.5mmとなっており、加齢によって小さくなります。虹彩には、瞳孔を大きくする筋肉と小さくする筋肉があり、光の量を調整する役目があります。
・ 毛様体
毛様体は前方にある虹彩と、後方にある脈絡膜の中間にあります。毛様体から毛様体小帯とよばれる細い繊維がのびて、水晶体に付着し、眼球内に水晶体を支えています。また、毛様体には毛様体筋という筋肉があり、毛様体筋の緊張、弛緩によって目のレンズといわれる水晶体の厚さを変えて網膜に像を結ぶようにピントを合わせます。さらに、房水を生産する役割もあります。
・ 脈絡膜
脈絡膜は、強膜と網膜の間にある黒褐色の膜で、欠陥と色素に富んでおり、前方は毛様体に続いています。瞳孔以外から余分な光が網膜に入らないよう、暗幕の働きをしています。また、眼球内に栄養を与える役目もしています。
内膜
・ 網膜
網膜は、眼球の構成要素の一つで、1番内側にあり10層からなります。眼球の後ろ側の内壁を覆う薄い膜状の組織であり、神経細胞が規則的に並ぶ層構造をしています。視覚的な映像(光情報)を神経信号(電気信号)に変換する働きを持ち、視神経を通して脳へと信号を伝達します。その働きから、カメラのフィルムに例えられています。
内容物
・ 水晶体
水晶体は、虹彩のすぐ後ろにある直径約10mm、前後径約4mmの凸レンズ状の透明体です。毛様体筋によって厚さを変え、網膜に映る像のピントを合わせる働きをします。水晶体は血管が無く、眼房水から栄養を供給されています。また加齢により硬くなってしまいます。
・ 硝子体
硝子体は、眼球内容の大部分を占めている無血管のゲル状組織です。水晶体後方と網膜の間のスペースにあります。眼球の形と弾性を維持し、水晶体で屈折された光線を網膜まで送る役目をしています。
眼球の付属器
・ 眼瞼
眼瞼とは、まぶたのことを言います。上眼瞼と下眼瞼からなり、眼球を保護するとともに、まばたきによって角膜の表面を涙で潤す働きをしています。
・ 結膜
白目の表面部分を眼球結膜、まぶたの裏側の部分を結膜といい、両者を合わせて結膜といいます。結膜は、眼球とまぶたとを連絡する役を果たしています。また、粘膜なので粘液を分泌して眼球の表面を常に潤す役目もしています。
・ 涙器
涙を分泌・生産してそれを排出する一連の器官です。涙を分泌する上水道にあたる涙腺と、涙を鼻の方へ排出する下水道にあたる鼻涙管とがあります。涙は、眼球の表面を潤して、角膜に多くの酸素を供給し透明に保つのに役立っています。
・ 眼筋
眼球のまわりには外眼筋と呼ばれる筋肉がついています。この筋肉のはたらきによって、眼球はどの方向にも動くことができます。見ようとする方向に左右の眼球を正しく向けるよう筋肉が伸び縮みして眼球を動かし、両目の視線を合わせます。
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