287:水道水で目を洗ってもよいでしょうか
こんにちは。新宿東口医院です。風にそよぐ木々の緑もまぶしい季節となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「水道水で眼を洗ってもよいでしょうか」です。
花粉の時期やコンタクトレンズ使用後など、違和感がある時には眼を洗いたくなります。
しかし、水道水で眼を洗うことは眼に良いことではありません。
「なぜ水道水で眼を洗ってはいけないのか」
飲み水としては世界でも最高基準の日本の水道水ですが、どうして眼を洗ってはいけないのでしょうか。なぜならば水道水の原水には私たちが使用した生活排水も原水として取水されます。浄水場では塩素を2回投入して滅菌を行い、安全を確保するために水道水1リットル当たりに0.1mg以上の塩素が残るように決められています。この塩素が眼表面の角膜に傷をつけてしまうのです。
また、大切な涙の成分まで洗い流し、ドライアイ等の原因となる可能性もあります。
涙は乾燥を防ぐ油層・角膜に栄養を与える水層・涙を眼に留めるムチン層からなっていて、3層がバランスよく存在することにより、安定した質の良い涙となります。この3層のバランスが崩れると、眼が乾きやすくなってしまいます。
「眼を洗うときはどうしたらよいか」
人工涙液を点眼する方法が、最も適した方法です。
洗眼方法は、人工涙液を1~3滴ほど点眼するだけです。これだけで、眼の中に入った花粉やゴミを洗い流すことができます。
人工涙液の中には防腐剤が含まれているものもあり、繰り返し点眼すると眼に悪影響を与えることがあります。防腐剤が含まれていない人工涙液の使用をおすすめします
眼の違和感や乾燥感から、何度も洗眼を繰り返してしまう方もいるようですが、必要以上の洗眼はドライアイ等の疾患の原因となります。
当院では、ドライアイ等の診察や点眼薬の処方も行っております。眼の違和感や乾燥感が気になる方は、お気軽に医師にご相談ください。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※ すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。