279:花粉症の方におすすめのコンタクトレンズ
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
いよいよ春が近づいて参りました。皆様いかがお過ごしですか。
今日のテーマは「花粉症の方におすすめのコンタクトレンズ」です。
◆ そもそも、花粉症はなぜ起こるのか?
人の身体は、細菌やウイルスなどの異物が体内に入ると、それを取り除こうとするために体内に抗体を作ります。
花粉が体内に入った場合、IgE抗体という物質が作られます。この抗体が働いたことにより、ヒスタミンなどの化学物質が放出されて知覚神経を刺激し、目にかゆみや充血・鼻に鼻水などといったアレルギー症状が現れます。
花粉症の方は、普通の人に比べ、ヒスタミンに対して敏感だといわれており、IgE抗体が多く作りだされます。
◆ 花粉に強いコンタクト
花粉から眼を守るためには、花粉に強いコンタクトレンズを選ぶことが重要です。いくつかの観点に分けて花粉に強いコンタクトをご紹介します。
1. 1日使い捨てレンズ
コンタクトを装用して生活すると、空気中に浮遊している目に見えない物質がコンタクトに付着します。
2週間タイプ、1ヶ月タイプ、コンベンショナル(長期間使うタイプ)のソフトコンタクトレンズは、毎日洗浄してケアをしますが、付着したゴミを全て取り去ることは至難の技です。
そこで、毎日使い終わったら捨てられる1日使い捨てタイプのレンズをおすすめします。
ケアの必要もなく、汚れたらすぐに捨てられる点で便利です。
価格の面でも、2週間レンズなどのほうが安いように思えますが、2週間タイプであっても汚れが強ければすぐに捨てる必要があるので、結果的に1日使い捨てタイプのレンズの方が安いということも十分にあり得ます。
花粉が多い日は眼鏡で過ごし、どうしても必要な日だけワンデーのレンズを付けるといった使い方がいいかもしれません。
2.非イオン性のコンタクトレンズ
なるべく花粉に強いレンズということで、ソフトコンタクトレンズの中で、素材自体がゴミや花粉を寄せ付けにくい非イオン性という性質を持ったものを選ぶのも1つの方法です。
<当院で取扱のある非イオン性ソフトコンタクトレンズ>
1日使い捨てタイプ
・ ワンデーアキュビュートゥルーアイ(ジョンソン・アンド・ジョンソン)
・ コンフォートプラス(日本アルコン)
・ デイリーズアクア(日本アルコン)
・ メダリストワンデープラス(B&L)
・ バイオトゥルーワンデー(B&L)
・ ワンデーファインUV(SEED)
・ プロクリアワンデー(クーパービジョン)
2週間使い捨てタイプ
・ オアシス(ジョンソン・アンド・ジョンソン)
・ アドバンス(ジョンソン・アンド・ジョンソン)
・ プレミオ(メニコン)
・ バイオフィニティ(クーパービジョン)
・ エアオプティクス(日本アルコン)
・ メダリストII(B&L)
・ メダリストプラス(B&L)
・ 2ウィークファインUV(SEED)
・ 2ウィークアクエア(クーパービジョン)
1ヶ月使い捨てタイプ
・ エアオプティクスEXアクア(日本アルコン)
※ 種類により乱視用・遠近両用もございます。ご相談下さい。
2. ハードコンタクトレンズ
ハードコンタクトレンズの場合、眼から出るタンパク汚れが(レンズの酸素透過性が高ければ高いほど)付着しやすくなります。特に、アレルギーのある方はタンパクが分泌されやすいので、ハードレンズにタンパクがたくさん付着しレンズが曇ってしまうケースも少なくありません。
しかし、ハードレンズの利点としては水道水でこすり洗いができることが挙げられます。ケア用品を持ち歩いていれば外出先でハードレンズを洗う事も出来ます。(レンズとケア用品との相性があるので、どのケア用品を選択するかは眼科医か販売店にご相談下さい)
また、ハードレンズは、眼に異常があると痛みで装用が困難になります。それに対しソフトコンタクトは装用感が良いせいで、ちょっとした異常に気付きにくくなります。つまり、ハードレンズなら異常に気付かずレンズを装用し続けることは少なく、重大な眼疾患が起こる前に異常に気付きレンズ装用を中止することができるのです。眼の安全の観点からいうと、これも利点と呼べるでしょう。
◆ おわりに
ここまで、花粉に比較的強いレンズをご紹介してまいりました。しかし、眼にとってコンタクトレンズは異物に他なりません。アレルギー体質の方はコンタクトレンズの使用によって症状が悪化してしまうことも少なくありません。やはり、花粉症やアレルギーをお持ちの方は裸眼で過ごすのが最も望ましいのです。
コンタクトレンズは便利ですが、使用方法を間違えると重大な眼疾患につながり、治療には手間・時間・コストがかかってしまいます。眼の安全を最優先と考え、少しでも異常を感じたらすぐにコンタクトの装用を中止し、眼科医の診察を受けることをおすすめします。
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