277:巨大乳頭陥凹拡大とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
寒さが和らいできた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「巨大乳頭陥凹拡大」です。
人間ドックや検診で眼底写真の結果、所見の欄に‘巨大乳頭陥凹拡大’と書かれていることがありますが、これはどのような病気かご存知でしょうか。目の奥、眼底には、視神経乳頭と呼ばれる陥凹(へこんでいる部分)があります。ここから血管や神経(視神経)が出入りしています。
視神経は神経線維という細い繊維が集まって束ねられたもので、網膜に写った光が細胞を通じて電気の信号に変えられ、この電気の信号を脳まで運ぶ電線の役割をしています。視神経の形は人によって個人差がありますが、その中心に陥凹(へっこみ)が正常な人より病的に大きくなっていると、視神経乳頭陥凹拡大とよびます。陥凹が大きくなる原因はその中身が減っているため、つまりそこを通っている神経線維の数が減少しているためです。
視神経線維の数が減る代表的な病気は緑内障です。つまり、視神経乳頭陥凹の拡大は、緑内障の疑いがあるということになります。緑内障は、何らかの原因で視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。実際、眼圧が正常でも眼圧が高い時と同じように視神経が障害されるタイプの緑内障もあることがわかっています。 したがって、視神経乳頭陥凹拡大と診断されたら、緑内障の検査を行うことになります。当院で行なう検査は、以下の通りです。
① 眼圧検査:眼圧を測ります
② 眼底検査:目薬をさして瞳孔を広げ、眼の奥を診ます。
③ 視野検査:光が出ているところを確認し。視野の欠損部を確認します。
④ OCT(光干渉断層計)検査:視神経の厚みをみる検査です。
検査後、医師が緑内障と診断された場合は経過観察をします。医師からの指示で定期的に検診を受けていくことになります。緑内障の治療は基本的に眼圧を下げることであり、まず目標となる眼圧考えて必要に応じて点眼を使用します。それでも眼圧の下降が不十分であれば手術を行います。
点眼、手術どの治療も眼圧を下げることによって進行を抑えることが目的であり、障害された視神経や視野を回復させるものではありません。
緑内障の手術は当院では行なっていないので、医師の判断で必要に応じて紹介となることもあります。
当院では予約診療を推奨しておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。