265:散瞳の目薬を入れると眼はどのような状態になるのか
こんにちは。新宿東口眼科医院です。今年もあとわずかとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のテーマは「散瞳の目薬を入れると眼はどのような状態になるのか」です。
1)散瞳とは
黒目の中心には瞳孔という、ピントを調節する小さな穴があります。
散瞳剤という目薬を使うことにより、検査の光が当たっても瞳孔を閉じにくくすることを散瞳といいます。
2)どんなとき、なんのために散瞳をするのか
目の奥を詳しく観察する『眼底検査』を行うときに散瞳を行います。
眼底検査は、主に網膜(目の奥)に病変があるとき、疑われるときに行う検査です。
瞳孔を大きく開いた状態にすることによって、
・瞳孔を大きくしないとみることができない部位の観察ができる
・ 検査の精度が上がり、他の疾患の発見にもつながる
などのポイントがあります。
3)散瞳のメカニズム
瞳孔を囲う黒目(正式には虹彩といいます)にある瞳孔の大きさを調節する筋肉と、目の中のレンズ(水晶体)の厚みを変えてピントの調節をする毛様体筋という筋肉を、散瞳剤を使って麻痺させます。
4)散瞳したときの見え方
瞳孔が大きく開くことによって、目に入る光の量が増えて眩しい状態が続きます。
同時に、ピントを合わせる毛様体の筋肉も麻痺するので、本や携帯の画面などの小さい文字が見えにくくなってしまいます。
5)散瞳の持続時間と散瞳後の注意
散瞳剤の効果は約6時間続くので、そのあとのスケジュールには十分注意が必要です。
(個人差がありますが、時間がたつと自然に元に戻ります。)
特に、車やバイク、自転車の運転は非常に危険ですのでおやめ下さい。
散瞳検査を行う日は、車でお越しにならないようにお気をつけください。
初診、あるいは久しぶりに受診される方で散瞳検査の希望があれば、
予約にその旨をご記入ください。
ご予約はこちらから。
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※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。