256:眼科で処方される漢方
こんにちは。新宿東口眼科医院です。徐々に涼しくなり、過ごしやすい季節になってきましたね。
今週のテーマは「眼科で処方される漢方」です。
1.漢方について
漢方は中国で生まれた体系医学です。その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげました。病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。現在、漢方薬は小青竜湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。
漢方薬は、複数の生薬を組み合わせた薬でそれぞれの生薬が、多くの有効成分を含んでいるので、1処方でもさまざまな作用を持っています。ですから、複数の病気や症状に対する治療に有効で、慢性的な病気や全身的な病気の治療など複雑多彩な症状に効果を発揮します。
2.眼科で処方されることの多い漢方薬
①麻黄剤
病院でも処方される機会の多い漢方薬のひとつです。体を温め病気を発散して治す効果があり
鼻カゼのほか、アレルギー性鼻炎や気管支喘息、花粉症などに広く用いられています。
当院ではアレルギーをお持ちの方に処方される場合が多いです。
②気剤
熱や炎症をさまし、腹直筋など筋肉の緊張をゆるめる働きをする働きや気分を落ち着けたり、
動悸をしずめる作用のある生薬が含まれます。具体的な症状としては、イライラ感や不眠などの
精神神経症状、あるいは、手足のふるえ、けいれん、子供の夜なき、ひきつけなどに適応します。
当院では、眼瞼痙攣の症状の方に処方されることが多くあります。
③補気強壮剤
一般的に高齢の人に用いることが多く、泌尿器の働きを高め精力をつける薬です。
足腰の冷えや痛み、しびれ、夜間頻尿、多尿、尿量減少、むくみ、かすみ目、皮膚のかゆみなどに
用います。眼科領域ではかすみ目に効果があるといわれています。
●漢方薬にも副作用があります。処方をご希望の場合は、医師にご相談ください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。