237:涙点プラグの種類
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
湿気の多い時期がやってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
さて、今週のテーマは「涙点プラグの種類」です。
【涙点プラグとは?】
涙点プラグとは主にドライアイ(涙の量が少なかったり、涙の質に変化が生じたりして、目の表面の健康が保てなくなるもの)およびシェーグレン症候群(涙が出にくい、唾液が出にくいことを特徴とする自己免疫病)の治療に使われる医療用器材です。
涙液が流れ出て目の表面が乾燥しないように、まぶたの上下にある涙点に「栓(プラグ)」を差し込んで、涙液を溜めておけるようにする治療方法です。涙点は、まぶたの目頭側上下にポツンとある小さな穴のことで、涙のいわば排水口です。涙は、目の表面を保護するためにまぶたの外側部にある涙腺という組織でつくられ、まばたきのたびに目の表面に運ばれ、上下2つの涙点から鼻の奥へと流れていきます。(図:【涙の道筋】参照)
当院では、ドライアイに対し、点眼治療以外、涙点プラグ(スーパーフレックスプラグ、コラーゲンプラグ、パンクタルプラグF)の3種から最適なプラグを選択し、治療を行っております。
◆シリコン製プラグ
① スーパーフレックスプラグ(ホワイトメディカル)承認番号:21200ZY00283000
【特徴】
フィット性、保持性、快適性に優れており、定評のある製品です。継続時間は1日から2年半(平均して7ヶ月)くらいですが、夜寝ている間などにプラグの違和感などで眼をこすり、外れてしまうため個人差があります。
【サイズ】0.4mmから1.1mmまで、小さな涙点から大きな涙点まで広範囲なサイズが利用できます。
【効果】涙をせき止める力が90%と高いです。
② パンクタルプラグF 承認番号:22100BZX0109300
【特徴】
プラグが細長くなっており、涙点サイズの計測を行わなくても容易に挿入できるようになっています。短所は適応サイズが少ない事です。
また挿入用のインサーターに予めプラグがセットされているため、挿入しやすく、挿入時の埋没のリスクも軽減されています。
【サイズ】SS,S,M,Lの4種類があります。
【効果】脱落しずらく、涙をせき止める力も高いです。
◆ 液体コラーゲンプラグ キープティア 承認番:21900BZZ00027000
涙点及び涙小管に、体温で温められるとゼリー状に固まる液体を注入し、目のうるおいを取り戻します。治療後の異物感がなく、主に軽度から中等度の症状に用いられる治療法です。使用期間は2ヶ月程度(シリコンプラグは個人差がありますが、平均7ヶ月程度)と限られていますが、プラグの脱落や異物感といった問題がありません。シリコンプラグが怖い方、合わない方にお勧めです。また、乾燥する季節限定で使用する方も多数いらっしゃいます。
【サイズ】液体であるため、涙点のサイズに関係なく使用することが出来ます。
【効果】涙をせき止める力は75~80%とシリコンプラグに劣ります。
パソコンを使ったお仕事が当たり前の現在、ドライアイの患者様は増え続けています。目について気になることがありましたら、医師にご相談ください。
ご予約はこちらから。https://www.shec.jp/reservation/
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。