235:ドライアイを治すと視力は回復する?
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
新緑の匂い立つ季節となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「ドライアイを治すと視力は回復する?」です。
「ドライアイによる視力低下」
視力低下にはさまざまな原因がありますが、ドライアイも視力低下の原因の一つです。
ドライアイの眼は、眼表面に涙が少ない=眼が乾いている状態です。
眼はカメラに例えることが出来ますが、涙も部品の一部になっており、この涙が安定していないと見え方に影響が出てくるのです。
ドライアイの主な症状は、乾燥感・眼のかすみ・疲れ・まぶしさ・痛み・充血・涙が出るなどです。
正常な眼では、涙液が安定し 眼表面が涙でしっかりと覆われていて、表面が滑らかになっているので、眼に入ってきた光は曲がる(乱反射する)ことなく目の中に入っていきます。そして、眼の奥にある網膜に綺麗な像を結び、はっきりとものを見ることが出来るのです。
しかし、ドライアイの眼は、涙が少なく不安定で凸凹があるため、眼に入ってきた光は曲がりながら(乱反射しながら)眼の中に入ってきます。曲がった光では網膜に綺麗な像を結ぶことができず、映る像がぼやけてしまうのです。
これが、ドライアイによる視力低下です。
ドライアイの眼でも、まばたきをした直後は眼表面が涙で覆われるので よく見えるようになります。そのため、通常の視力検査ではドライアイの視力低下は反映されません。
しかし、涙液が不安定なためにすぐに眼表面は凸凹になってしまい、視力は悪くないのに日常生活では見づらさを訴えます。
ドライアイの眼では、ぼやけた像を鮮明にしようと力が入ってしまい眼精疲労を合併し、視力低下を招く場合もあります。
また、涙液は眼の表面を滑らかにするだけでなく、異物や細菌から眼を守る役割も担っているため、ドライアイの人は眼表面の傷など角膜のトラブルを起こしやすくなり、それによって視力低下を招く場合もあります。
まばたきは、本来であれば眼の乾燥や異物が入ってくることを防ぐ役割がありますが、目が乾いていると反対に眼を傷つけてしまうこともあります。
「ドライアイの治療」
ドライアイによる視力低下であれば、ドライアイの治療することにより視力を回復することができます。
主な治療法方としては
①涙の成分に近い点眼液を点眼
②角膜上皮障害治療薬を点眼
③涙液分泌促進作用のある点眼液を点眼
④涙点プラグを装着
⑤涙点プラグが脱落してしまう場合には、涙点焼灼術(オプテンプⅡⅤを用いた涙点の閉鎖
などがあげられます。
医師が診察で眼の状態を確認後、適切な治療方法を選び、処方または処置を行います。
治療の結果、ドライアイが改善し涙液が安定すれば、ドライアイによる視力低下やその他の症状は改善されます。
当院では、ドライアイの診断・治療を行っております。
乾燥感だけでなく、かすみ・まぶしさなど気になる症状がある方は、医師にご相談下さい。
※視力低下の原因が必ずしもドライアイとは限りません。また、視力低下の原因がドライアイであったとしても、それを自分自身で判断することは出来ません。
見え方に違和感を感じる時や、視力低下の自覚がある場合には、早めに眼科を受診し、詳しい検査を受けるようにして下さい。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。