227:眼瞼痙攣について
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
春の日差しを感じるようになった今日この頃皆様いかがお過ごしでしょうか。桜も見ごろですね。
今週のテーマは、「眼瞼痙攣について」です。
1. 眼瞼痙攣の特徴
眼瞼痙攣 https://www.shec.jp/disease/021.htmlとは、目の周りの筋肉が痙攣して目が開けにくくなり、まばたきができなくなる病気です。「けいれん」という名前ですが、ピクピクするわけではありません。老人や女性に多く、また両眼に起こるのが多いと言われています。脳内の運動抑制するシステムが機能障害を起こすことによって生じると考えらています。しかし、発症の原因が完全には解明されていないため、症状を抑える治療が中心となっています。
2. 眼瞼痙攣の症状
眼瞼痙攣の初期症状としては、まぶたの不快感、まぶしく感じる、まばたきが多くなる などがあります。症状が進行するとうまく開けていられないため、人や物にぶつかるなど、生活に支障が出るようになります。さらに進行すると、自分の意思ではまぶたをあけることができなくなり、視力には問題ないのに機能的に盲目状態になります。症状の進行は早くありませんが、何もしないでいて自然に症状が軽くなることはほとんどありません。精神的な緊張の影響を受けることも多く普段は重い症状があるのに、診察室では症状が出ないという例も見られます。また、症状は通常両目に起こりますが、左右差があることも少なくありません。
3. 眼瞼痙攣の主な検査方法
診察時に、痙攣が生じていれば診断は容易ですが、診察時に痙攣が生じていなければ、誘発を試みます。たとえば、強くまぶたを閉じたり、唇を横に伸ばしたりを何度も試みます。また、強い光を目に当てたりします。眼瞼痙攣には、症状が似ている紛らわしい病気がいくつかあります。医師はそれらの紛らわしい病気と鑑別し、眼瞼痙攣を診断します。そして、重症度の判定、治療へと進みます。
4. 眼瞼痙攣の治療方法
眼瞼痙攣には、ボツリヌス療法、薬物療法、手術などの治療方法があります。
1) ボツリヌス療法
ボツリヌス菌の毒素を痙攣している筋肉に注射する方法です。
2 )薬物内服治療
人口涙液の点眼や内服薬(抗コリン製剤、抗うつ薬、漢方など)を投与します。
2) 手術
まぶたの筋肉や皮膚を短くする手術です。
5. 当院での治療
眼瞼痙攣に対し、当院ではボツリヌス療法(ボトックス注射)や内服治療を行っております。
ボツリヌス菌の毒素を痙攣している筋肉に注射する方法です。治療時間も短く、通常は入院も不要で、次の日からは、普段と変わりなく生活をできます。非常に効果の高い治療方法ですが、痙攣を永久に治してしまうものではありません。2~3ヶ月の間症状を抑えることができますが、何度も繰り返し治療を受ける必要があります。
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●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。