218:飛蚊症について
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
寒い日が続きますが、皆様暖かくしてお過ごし下さい。
今回のテーマは「飛蚊症」についてです。
・飛蚊症とは
飛蚊症とは視界にごみや虫のようなものが飛んでいるように見える症状です。黒い点や虫のようなもの、または薄い雲のようなものが視野の中に見えたり、視線を動かしたとき、それが一緒に移動したりするように感じることもあります。飛蚊症は、病的なものと生理的なものとに分けられます。
・生理的飛蚊症
多くの場合は、老化や眼の酷使、活性酸素などによって硝子体が変性し、水アカのようなものが溜まり、眼が濁ることが原因である事がほとんどです。活性酸素は硝子体中のたんぱく質や脂質を酸化してしまい、硝子体の組織を変質させるため、飛蚊症が生じます。
加齢などに伴う生理的なものが多く、健康な目であっても目の中の細かい線維や細胞が浮遊物として見えてしまうことはあります。
特に大きな病気も見つからず、医師が問題ないと判断すれば、そのまま経過観察となります。浮遊物の存在は徐々に薄くなっていく事が多いとは言われていますが、なかなか消えない事もあります。
・ 病的飛蚊症
ですが、なかには重篤な疾患の初期症状として起こっている場合も多々あります。網膜剥離・網膜裂孔・糖尿病網膜症・硝子体出血・ぶどう膜炎などが挙げられます。
目の中の出血や網膜の剥がれ、眼内の炎症物質が浮遊物として知覚されている状態です。
網膜・硝子体の疾患は、放置すると視力低下や視野の欠損につながります。また、ぶどう膜炎は早期に発作を抑える事が重要になってきますし、様々な合併症を疑う必要がある場合もあります。
浮遊物が増えた・形が変わったなどの急激な変化がある場合は、病的なものである可能性が高まります。病的なものか生理的なものかの判断をつける為にも、まずは眼科の受診をおすすめします。
・ 検査・治療について
必要に応じて、散瞳薬という目薬を使って検査を行います。眼の中の状態を知るため、医師の判断により目の奥の写真を撮ったり、OCTで網膜の断層撮影を行います。
網膜疾患が見つかりレーザー手術が必要になった時は、場合によっては即日レーザーを施行する事も考えられますし、また、ぶどう膜炎で全身疾患が疑われる時は、必要に応じて各種の血液検査を行う場合もあります。
ガス注入術などの入院や必要な治療を考えたほうがいいと判断した場合は、他の病院宛てに紹介状を書く事もあります。
疾患の原因や程度によって治療の方針も変わってきますので、医師との相談のうえで指示に従ってください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。