210:緑内障の禁止薬
こんにちは、新宿東口眼科医院です。
日増しに寒さが加わってまいりました。近づく冬を元気に迎えましょう。
今週のテーマは「緑内障の禁止薬」です。
緑内障とは眼圧が高くなり、視野が欠けてくる目の病気です。眼圧が上昇し、視神経を圧迫することで発症します。治療において眼の眼圧を下げることが第一目標となります。
しかし、緑内障では使用できない禁止薬があります。
①抗コリン薬
抗コリン薬は自律神経のひとつである副交感神経が、さまざまな臓器に影響を及ぼすのを抑える薬です。
気管支を広げる働きがあるので、気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療薬として
利用されています。また、脳内のアセチルコリンが必要以上に多くなるパーキンソン病・てんかん・
狭心症の治療などにも用いられる薬です。この薬を使用すると瞳を開くとともに房水の出口をふさぎ、
その排出を阻害し、眼圧上昇の副作用が現れることがあります。
このほかにも緑内障の症状を悪化させる可能性もあるので禁忌薬とされています。
②注意欠陥・多動性障害(AD・HD)の治療薬
閉塞隅角緑内障の場合に注意欠陥・多動性障害(AD・HD)の治療薬の中には
散瞳の症状があらわれてしまうこともあるため禁忌の薬とされています。
③抗鬱薬
抗鬱薬には散瞳や眼圧を上昇させてしまう副作用が含まれているのがあります。
比較的新しい抗鬱薬のなかには医師との相談の上で慎重投与できるものもありますが、
急性狭偶角緑内障では使用を禁止されています。
緑内障といっても、そのタイプや治療状況により 禁忌薬の対処が違ってきます。
たとえば散瞳に使用される点眼薬の中には、開放隅角緑内障に適応する一方で、
閉塞隅角緑内障には禁忌となる薬です。
ご自身で服用されているお薬が禁忌のものかどうか少しでも心配があれば、
担当の眼科医師にお尋ね下さい。
●上記は一般的な説明です。症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮ください。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先してください。