15866:「レーザー治療をする疾患は」
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
梅のさわやかな香りが漂うこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは「レーザー治療をする疾患は」です。
●当院で行っているレーザー治療
当院では、以下のレーザー治療を行っています。
レーザー治療は、レーザー光を使って病気を治療する方法です。レーザーにもいくつかの種類があり、それぞれ異なる治療に使われます。
‐グリーンレーザー光凝固
組織を熱で凝固させて治療する方法です。例えば、網膜光凝固術や虹彩切開に使用されます。
→適応疾患
1. 糖尿病網膜症
糖尿病になって5年から10年くらい経つと、糖尿病の血糖コントロールの状態が悪ければ糖尿病網膜症が発症します。
網膜裂孔増殖前期で悪化傾向にある場合や、増殖期では多くの場合でレーザー治療が適応となります。レーザー治療は網膜の血の巡りの悪い箇所にレーザー光で照射して、失明につながる新生血管の発生を防ぐ方法です。また、出血や白斑も治療できます。この治療で視力が改善するわけではありませんが、網膜症の進行を阻止することができています。
2.網膜裂孔は網膜の破れ目のことで、進行すると網膜剥離をひきおこす可能性があります。

3. 緑内障、開放隅角緑内障
緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。中でも開放隅角緑内障は眼球内での房水の流れが悪いため眼圧が上昇するタイプの緑内障で、慢性的に視神経が圧迫されて、徐々に進行するのが特徴です。慢性緑内障の典型的な病型といえます。

‐ヤグレーザー
このレーザーは、光を一点に集中させてその部分を治療します。主に後発白内障の治療に使われます。治療は痛みがなく、数分で終わるので、非常に楽に受けられる治療です。
白内障手術後、数ヶ月から数年してから、また「まぶしくなる」「視力が下がる」「目がかすむ」といった症状が出てくることがあります。これは「後発白内障」といわれるもので、手術の際に残しておいた水晶体の後嚢が濁ってくるために起こります。後発緑内障症の場合、ヤグレーザーで濁りをとることができ、視力もすぐに回復します。
‐SLT(選択的レーザー線維柱帯形成術)
このレーザーは、繊維柱帯で房水の流出を妨げている色素細胞をレーザーで打つことで、流れを改善し、眼圧の低下を図る治療です。主に開放隅角緑内障の治療方法のうちの一つです。
●レーザー治療を受ける際の注意点
レーザー治療を受ける際にはいくつかの注意点があります。
• 視力回復の手術ではない
レーザー治療は、視力を回復するための手術ではなく、病気を治療することが目的です。
• 飛蚊症が治らない場合がある
飛蚊症は網膜だけでなく、他の部分にも原因があるため、完全に治らないことがあります。
• 合併症の可能性
感染症や視野狭窄、視力の障害など、いくつかの合併症が起こる可能性がありますが、事前に医師と相談することが大切です。
このように、レーザー治療は非常に多くの疾患に対応でき、治療もスムーズに進みます。治療に関して気になる点があれば、いつでもご相談ください。
●一般の方向けですので医学用語は必ずしも厳密ではありません。
●無断での記事転載はご遠慮下さい。
●本文の内容は一般論の概括的記述ですので、個々人の診断治療には必ずしも当てはまりません。
※すでに治療中の方は主治医の判断を優先させてください