145:より目とは
こんにちは。新宿東口眼科医院です。
暑い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。お体ご自愛くださいませ。
今週のテーマは「より目」です。
● より目、偽内斜視(仮性内斜視)とは
= 乳幼児期によく見られるより目 =
子供がより目と心配される両親も多いかと思います。より目に見える子供の多くは偽内斜視という状態です。東洋人は両目の目頭間の距離が長く、鼻が低い為、目頭の皮膚が眼球の一部分を覆っている場合が多く、実際は両目とも正面を向いている正常な位置にありますが、外見上においては目頭の皮膚が目頭の白目をさえぎる為、黒目が内側に入りすぎているように見えます。特に赤ちゃんの瞼は、脂肪が多く、覆われている部分が大人よりも多い為、赤ちゃんの目がより目に見えてしまうのです。それを偽内斜視と言います。その場合、目は治療の必要はなく、成長するにつれ4~5歳になり鼻筋が通ることで治っていきますので偽内斜視の場合心配ありません。
● 乳幼児がより目になる原因
= 乳児内斜視(先天性内斜視) =
乳児内斜視(先天性内斜視)とは、生後6ヵ月以内に発症した内斜視のことで、多くの場合、赤ちゃんの黒目がはなはだしく目の内側にずれている、より目になっている状態のことをいいます。人間の目は右目と左目で見た像を脳で合わせる機能を果たす為に真っ直ぐに物を見られる位置に保たれます。この働きを両眼視機能といいます。赤ちゃんのより目の多くは、この両眼視機能が弱いことが原因で起こります。赤ちゃんの片目に長期間眼帯をしていたり、瞼のカサブタが片目にあったりすると、両眼視機能が発達せず、斜視・より目になる場合があります。また、強い遠視を過剰に調節したことが原因でより目になることも多いです。
● より目の治療とは?
= 内斜視は早期治療が大切です =
子供の目の動きが完成するのは6歳頃だと言われています。近くを見るためには、水晶体を厚くしながら、同時に両目を内側に寄せています。遠視の場合は、常に水晶体を厚くするように働きます。それが両目を内側に寄せる動きに影響し、必要以上に両目を内側に寄せる動きから、より目になるのです。両眼視機能が失われ、より目のままでいると、片方の目からの情報を脳が抑制するようになり、片方の目を使おうとしないので、視力が悪くなることがあります。また、より目の原因が視力障害や目を動かす眼筋のまひ、腫瘍など大きな病気が原因の場合もあるので、より目の原因を早く見つけることが必要です。早い治療によって両眼視機能は回復しやすいので、早期に治療をすることが大切です。