※記載内容はあくまで一般的なもので、実際の治療法、治療薬、検査等に関しては、全てご担当した医師が決定するため、記載内容と一致するとは限りませんのでご理解の程宜しくお願い致します※
当院ではバセドウ病が疑われる場合、ドライアイの症状があれば点眼を、複視がみられれば、プリズム眼鏡の処方を行う場合もあります。
血液検査などが必要だと医師が判断した場合は、内科への紹介状を作成いたします。
気になる症状がある場合は、お気軽にご予約ください。
甲状腺ホルモンとは細胞の新陳代謝を促したり、身体活動や精神活動を活発にする働きをするホルモンです。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)とは甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。女性に多く(男性の約4倍の頻度)、20歳代と40歳代に発病のピークがあります。
放射線治療という選択肢もあります。放射線治療の副作用で、こめかみの辺りの毛が抜けることがありますが、数カ月すると元に戻ります。
手術としては、眼窩減圧〈げんあつ〉手術があります。眼窩を構成している骨の一部を削り取り、眼窩内部のスペースを拡大することで内圧を下げる方法です。ほかの治療を行っても眼球突出が改善せずに角膜や結膜などに重い症状があるとき、または眼窩内圧上昇で視神経障害の後遺症が心配されるときに、この手術を検討します。合併症で複視をきたすことがあります。
まぶたやまつげの異常に対しては、まぶたの筋肉を伸ばす手術を行います。結膜の充血やむくみ、ドライアイには、それぞれの治療薬を点眼します。複視は、外眼筋の位置を調節する手術で治療します。
これら続発性症状に対する手術は通常、炎症がひいて病状が落ち着いてから行います。原発性症状が変化しているときに行うと、術後に眼窩やまぶたの状態が変わって、症状がまた悪化してしまう可能性があるからです。強い続発性症状がある場合は別で、早めに手術します。
症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。
血液検査などが必要だと医師が判断した場合は、内科への紹介状を作成いたします。
気になる症状がある場合は、お気軽にご予約ください。
バセドウ病とは
甲状腺ホルモンとは細胞の新陳代謝を促したり、身体活動や精神活動を活発にする働きをするホルモンです。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)とは甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。女性に多く(男性の約4倍の頻度)、20歳代と40歳代に発病のピークがあります。
原因
本来は体の外から侵入してくる細菌やウイルスを無害化する「抗体」が、自分の正常な組織を攻撃してしまうために発症すると考えられています。
症状
甲状腺が大きくなるために頚部の腫脹がみられます。そして新陳代謝や身体・精神活動が高まるため、脈拍が早くなり、指の震え、体重の減少、下痢、発汗、イライラするなどの自覚症状をきたします。
バセドウ病による目への症状
バセドウ病による目の症状は大きく分けて、バセドウ病そのものが原因で目に現れる症状の原発性症状と、いったん生じた目の異常が原因となり続発的に現れる続発性症状があります。
眼瞼とはまぶたのことです。過剰に分泌されている甲状腺ホルモンが平滑筋を刺激して、その影響でまぶたを上下する筋肉が収縮するために起こる現象が「眼瞼後退」です。とくに上まぶたの筋肉が収縮しやすく、まぶたが吊り上がったようになります。
【眼球突出】
眼球が収まっている頭蓋骨の空洞を眼窩といいます。眼窩の内側は、眼球を動かす「外眼筋」という筋肉と、その周囲にある「眼窩脂肪」などによって埋められています。
バセドウ病では外眼筋や眼窩脂肪に炎症が起きます。すると、炎症による腫れのためにその体積が増え、眼窩内圧(眼窩内の圧力)が高くなります。その結果、眼球が前へ押し出されて「眼球突出」が起こります。
脂肪や涙腺の炎症のためにまぶたが腫れたり、逆さまつげのようになったりします。
【結膜の充血・むくみ】
眼窩内圧が高くなることや、眼瞼後退の影響で、結膜に充血やむくみが起きます。
【ドライアイ】
眼瞼後退でまぶたが完全には閉じなくなるために、角膜や結膜が乾燥して傷がつきやすくなることがあります。甲状腺機能異常による涙の分泌機能低下の影響もあるとされています。
【複視〈ふくし〉】
外眼筋(左右に六つずつあります)の腫れのため眼球運動が悪くなり、視線が一点に合わず物が二つに見える「複視」になります。
【視神経の障害】
眼窩内圧が上昇すると、眼球後方から脳へと伸びている視神経や眼球へ血液を送っている血管も圧迫されます。それにより、視力が低下したり、視野が欠けたり暗くなったりすることがあります。視神経は完全に障害されてしまうと回復しないので、そうなる前に治療しなければいけません。中年以降の人では眼窩の組織が固いため、複視や視神経障害が起きやすい傾向があります。
【眼精疲労】
ドライアイや複視、視力低下などの程度が軽いときは、単なる眼精疲労として自覚されます。
・眼の突出・瞼の腫れ
・甲状腺の腫れ
・動悸・はやい脈拍
・体重減少・発熱
・倦怠感・イライラ
・手の震え、汗が多く出る
・下痢、生理不順
原発性症状
【眼瞼後退】眼瞼とはまぶたのことです。過剰に分泌されている甲状腺ホルモンが平滑筋を刺激して、その影響でまぶたを上下する筋肉が収縮するために起こる現象が「眼瞼後退」です。とくに上まぶたの筋肉が収縮しやすく、まぶたが吊り上がったようになります。
【眼球突出】
眼球が収まっている頭蓋骨の空洞を眼窩といいます。眼窩の内側は、眼球を動かす「外眼筋」という筋肉と、その周囲にある「眼窩脂肪」などによって埋められています。
バセドウ病では外眼筋や眼窩脂肪に炎症が起きます。すると、炎症による腫れのためにその体積が増え、眼窩内圧(眼窩内の圧力)が高くなります。その結果、眼球が前へ押し出されて「眼球突出」が起こります。
続発性症状
【まぶたやまつげの異常】脂肪や涙腺の炎症のためにまぶたが腫れたり、逆さまつげのようになったりします。
【結膜の充血・むくみ】
眼窩内圧が高くなることや、眼瞼後退の影響で、結膜に充血やむくみが起きます。
【ドライアイ】
眼瞼後退でまぶたが完全には閉じなくなるために、角膜や結膜が乾燥して傷がつきやすくなることがあります。甲状腺機能異常による涙の分泌機能低下の影響もあるとされています。
【複視〈ふくし〉】
外眼筋(左右に六つずつあります)の腫れのため眼球運動が悪くなり、視線が一点に合わず物が二つに見える「複視」になります。
【視神経の障害】
眼窩内圧が上昇すると、眼球後方から脳へと伸びている視神経や眼球へ血液を送っている血管も圧迫されます。それにより、視力が低下したり、視野が欠けたり暗くなったりすることがあります。視神経は完全に障害されてしまうと回復しないので、そうなる前に治療しなければいけません。中年以降の人では眼窩の組織が固いため、複視や視神経障害が起きやすい傾向があります。
【眼精疲労】
ドライアイや複視、視力低下などの程度が軽いときは、単なる眼精疲労として自覚されます。
・眼の突出・瞼の腫れ
・甲状腺の腫れ
・動悸・はやい脈拍
・体重減少・発熱
・倦怠感・イライラ
・手の震え、汗が多く出る
・下痢、生理不順
主なの治療方法
原発性症状に対する治療
平滑筋の働きを抑えるα〈アルファ〉遮断薬の点眼や筋肉を弛緩させるボツリヌス毒素の注射をします。放射線治療という選択肢もあります。放射線治療の副作用で、こめかみの辺りの毛が抜けることがありますが、数カ月すると元に戻ります。
手術としては、眼窩減圧〈げんあつ〉手術があります。眼窩を構成している骨の一部を削り取り、眼窩内部のスペースを拡大することで内圧を下げる方法です。ほかの治療を行っても眼球突出が改善せずに角膜や結膜などに重い症状があるとき、または眼窩内圧上昇で視神経障害の後遺症が心配されるときに、この手術を検討します。合併症で複視をきたすことがあります。
続発性症状に対する治療
まぶたやまつげの異常に対しては、まぶたの筋肉を伸ばす手術を行います。結膜の充血やむくみ、ドライアイには、それぞれの治療薬を点眼します。複視は、外眼筋の位置を調節する手術で治療します。
これら続発性症状に対する手術は通常、炎症がひいて病状が落ち着いてから行います。原発性症状が変化しているときに行うと、術後に眼窩やまぶたの状態が変わって、症状がまた悪化してしまう可能性があるからです。強い続発性症状がある場合は別で、早めに手術します。
注意すべきこと
バセドウ病は良くなったり悪くなったりすることはあるものの、一般的には時間とともに改善する病気です。
多くの方が一番気にされる眼球突出についても、きちんと治療すれば大部分の患者さんは、それほど目立たないレベルに治ります。
またタバコを吸う人は吸わない人よりもバセドウ病になりやすいうえに、目の病気ではより大きく差が出ることがわかっています。
上記は一般的な説明です。多くの方が一番気にされる眼球突出についても、きちんと治療すれば大部分の患者さんは、それほど目立たないレベルに治ります。
またタバコを吸う人は吸わない人よりもバセドウ病になりやすいうえに、目の病気ではより大きく差が出ることがわかっています。
症状が気になる方は受診の上、医師に相談して下さい。