※記載内容はあくまで一般的なもので、実際の治療法、治療薬、検査等に関しては、全てご担当した医師が決定するため、記載内容と一致するとは限りませんのでご理解の程宜しくお願い致します※
糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の解説と治療案内です。
新宿東口眼科医院では、散瞳眼底検査、蛍光眼底検査、OCT(光干渉断層計)による検査によって、糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の病態を把握し内科医と連携しつつ、必要に応じて網膜光凝固術を施行しております。
糖尿病とは
糖尿病とは、体内の血糖値を下げるインスリンというホルモンが不足して起こる代謝異常の総称です。Ⅰ型、Ⅱ型などに分類され、さまざまな合併症を起こします。
*インスリン・・・・ブドウ糖をコントロールするホルモン。血糖を下げたりエネルギーに変えたりする。
Ⅰ型糖尿病 | 「若年型糖尿病」とも呼ばれていたように、幼児期から小児期に急に発症することが多い。 |
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Ⅱ型糖尿病 | 9割の糖尿病このタイプでインスリンの働きが悪くなって起こる。食生活や運動不足などが原因とされている。 |
妊娠糖尿病 | 妊娠中に分泌されるホルモンの作用でインスリンの作用が弱くなり起こる。 |
その他 | 遺伝子異常、その他の疾患が起因で起こるもの |
糖尿病の合併症
糖尿病性神経症、糖尿病性腎症そして糖尿病性網膜症が代表的な合併症ですがその他にも心筋梗塞、脳梗塞、狭心症等があります。
糖尿病性網膜症とは
糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)は、網膜の状態などから進行の段階が3つに分けられます。
単純網膜症から増殖前網膜症の段階ではほとんど自覚症状がないため、初期の段階で患者さん自身が眼の異常に気がつくことは困難です。また、糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)で視覚障害者になる人は、年間3,000人にのぼるといわれています。
糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の進行期による分類
単純網膜症から増殖前網膜症の段階ではほとんど自覚症状がないため、初期の段階で患者さん自身が眼の異常に気がつくことは困難です。また、糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)で視覚障害者になる人は、年間3,000人にのぼるといわれています。
糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の進行期による分類
眼の状態 | 自覚症状 | |
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単純網膜症 (第1段階) |
網膜の毛細血管がもろくなります 点状および斑状出血 毛細血管瘤 硬性白斑 |
なし |
増殖前網膜症 (第2段階) |
軟性白斑が多くみられます 血管が詰まり、酸素欠乏になった部分がみられます |
なし |
増殖網膜症 (第3段階) |
新生血管が硝子体にみられます 硝子体出血 増殖膜の出現 網膜剥離 失明に至ることがあります |
視力が極端に低下します 黒いものがちらつきます ものがぶれてみえます |
原因
糖尿病の患者さんの血液は、糖が多く固まりやすい状態になっているため、網膜の毛細血管を詰まらせたり、血管の壁に負担をかけて、眼底出血をしたりします。そのため、血液の流れが悪くなり、網膜に酸素や栄養素が不足し、これが糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の原因です。
糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の検査方法
1.眼底検査 | 眼底にある網膜の状態をくわしく調べるために行います。検査の前に目薬をさして瞳孔を開き、検眼鏡を通じて主に視神経や網膜を観察する検査です。実際に医師が自分の目で、糖尿病性網膜症 (糖尿病網膜症)の進行度を観察することができます。 |
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2.蛍光眼底検査 | 蛍光剤を血管内に送り込み、眼底の血流状態を写し出す事が出来るため、通常の眼底写真ではわからない網膜の血管の様子がわかります。当院ではそれに準ずるDRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)を使用した血管造影検査(AngioGraphy)の検査を行っております。 |
3.OCT(光干渉断層計) | 近赤外線を利用した眼底の検査機器で、これまで行えなかった網膜の断面の観察が出来るようになり、糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)などの網膜疾 患、特に黄斑部病変の精密な診断が早期かつ正確に行うことができます。 |
糖尿病性網膜症(糖尿病網膜症)の治療方法
血糖コントロール
糖尿病になって5年から10年くらい経つと、糖尿病の血糖コントロールの状態が悪ければ糖尿病網膜症が発症します。また、糖尿病網膜症の患者様で視力低下が不安で眼科に来られる方が多いと思います。しかし、糖尿病網膜症の治療においてどの病期においても血糖コントロールが治療のベースとなってきます。
血糖コントロールの指標HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が7%未満であると糖尿病網膜症の発症や進行を予防できるといわれています。
1日3食、規則正しく、まんべんなく食べること、医師の指示にしたがって、自分の症状にあった運動をすること、アルコール、糖分、塩分のとりすぎに注意し、規則正しい生活を心がけること。
抗血管内皮細胞増殖因子(VEGF)薬の注射
増殖前期、増殖期などで黄斑浮腫を認める場合に行います。
網膜の中心に位置する黄斑にまで出血や血液成分の漏出がおよんだ場合には、黄斑浮腫と呼ばれるむくみが発生して黄斑の働きが阻害され、深刻な視力障害がもたらされます。
むくみを鎮静化するために新生血管抑制作用を持つ薬剤を硝子体内に注入します。
レーザー光凝固術
増殖前期で悪化傾向にある場合や、増殖期では多くの場合でレーザー治療が適応となります。レーザー治療は網膜の血の巡りの悪い箇所にレーザー光で照射して、失明につながる新生血管の発生を防ぐ方法です。また、出血や白斑も治療できます。この治療で視力が改善するわけではありませんが、網膜症の進行を阻止することができています。詳細はこちら
硝子体手術
糖尿病網膜症の中で、硝子体出血、網膜剥離などをきたした増殖網膜症に対し出血混濁の除去、増殖膜を切除したりする手術のことです。手術としては改善しても視力の改善は難しいことが多いです。