抗VEGF抗体療法
VEGFとは「血管内皮増殖因子」といい、網膜下におこる新生血管の原因となる物質で、加齢黄斑変性症の症状を悪化させる最大の要因です。新生血管は細くもろいため、すぐにやぶれて出血やむくみを起こしてしまいます。
抗VEGF抗体療法とは、このVEGFに対する抗体を目(硝子体)の中に注射することで、新生血管の増殖や成長を抑える治療法です。 滲出型加齢黄斑変性症に適応となります。
治療の流れ
1.事前に抗菌点眼薬
注射する3日前から抗菌点眼薬を使用します。
2.治療
眼球やその周りの皮膚を消毒後、麻酔をして目に薬を注射します。
薬や病気の状態によって注射の頻度や回数はさまざまですが、4週または6週ごとに、主に3回ほど注射をします。
3.注射後の抗菌点眼薬
注射後も抗菌点眼薬を3日間ほど使用します。
※新生血管の活動性がみられれば、再度注射を行います。
副作用
治療で最も注意することは、感染症です。それを防ぐためにも、注射前後は担当医の指示にしたがい、抗菌薬の点眼が必要になります。また、目をこすったりなどはお控えください。
他には、結膜下出血、目の痛み・かゆみ、眼圧の上昇、重篤なものになると網膜剥離や眼内炎などを引き起こす可能性もあります。
そのため、治療後に充血や目の痛みなどの症状がある場合には、ただちに眼科を受診してください。
行うことのメリット
加齢黄斑変性症の原因である新生血管の増殖や成長を抑えますので、ある程度の視力回復が期待できます。
注意点
約4週間に1回の頻度で3回ほど注射が必要になってきます。
保険が適応されますが、比較的治療費が高くなってきますので、「高額療養費制度」という制度がございます。下記をお読みください。
高額療養費制度について
高額療養費制度とは、高額な医療費による負担を軽くするために、医療費の一部負担額が自己負担限度額を超えた場合に、超えた分の払い戻しを受けられる制度です。
高額療養費の払い戻しを受けるには申請が必要です。
申請について
加入されている保険者に申請します。
・国民健康保険…市区町村の担当窓口。
・その他…加入している健康保険の窓口。(社会保険事務所、健康保険組合や共済組合など)
保険証に記載されていますので、ご確認ください。
まずは、どのように申請すればよいのかを問い合わせてみるところからはじめてください。
お客様の年齢・所得によって自己負担の限度額は異なります。