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角膜潰瘍

角膜潰瘍とは

外傷や、ウイルス・細菌感染を起こし角膜の組織が表面から欠損していく疾患です。 角膜の病気としてはかなり重症で、すぐに治療をしなければなりません。

角膜潰瘍

原因

多くは外傷・異物飛入・コンタクトレンズ障害など、外的な要因で起こります。 また糖尿病(糖尿病の眼の合併症としては網膜症がよく知られていますが、実は糖尿病の人では普通の人と比べて角膜の上皮が脱落しやすくなります)や、角膜ジストロフィーなどの内的な要因でも起こります。

主な自覚症状

炎症が起こり、激しい目の痛みを感じます。(角膜には三叉神経が分布しており、体の中で最も知覚が鋭敏なためです。)
痛みに伴って大量に涙が出て、黒目を囲むように白目も充血し、炎症が続くと角膜はしだいに濁って潰瘍ができます。
病変の部位や大きさによっては、視力が低下します。
また、潰瘍が深くなって角膜に穴が開くこともありますが、これを「角膜穿孔」といい、場合によっては失明することもあります。

主な治療方法

原因によって、大きく分けると次の三つに分類することができます。

外傷性の場合…

原因:コンタクトレンズの不適切な装用、草木で目を突くなどして角膜に傷がつき、そこから細菌が感染。原因となる細菌としては、ブドウ球菌や連鎖球菌、緑膿菌などが代表的。

治療法:病変部の角膜を擦過して、原因となっている菌を調べ、その菌に対して最も有効な抗生物質(抗菌薬)の点眼。症状が強い例では、同時に、抗生物質の内服薬も用いる。

備考:コンタクトレンズの脱着後、ゴミ・草木などが目に入ったあと等に痛みが出て、その痛みが1日以上続いたり、強くなる場合には早急に眼科を受診してください。

感染性の場合…

原因:フサリウム、アスペルギルスなど、いろいろな種類の真菌。これらは動植物に存在していることが多く、草木で目を突いたり、動物の毛が目に入ったことが原因で感染。また、目の治療にステロイド薬を使用している人、体が衰弱している人は、免疫機能が低下するため、真菌に感染しやすくなる。

治療法:抗真菌薬の点眼と内服。抗真菌薬の内服は、6か月間など長期にわたって続ける必要があるため、薬に対するアレルギーや、肝機能・腎機能障害を起こさないように、定期的にチェックしながら使用する。

備考:特にステロイド薬を使用している人や、体力が落ちている人は、目の症状に注意する必要があります。また、コンタクトレンズは正しく使用し、動植物と接触する機会が多い人は、目の保護を心がけてください。

非感染性の場合…
■角膜辺縁潰瘍

原因: まぶたの縁などに存在しているブドウ球菌に対する、アレルギー反応。

治療法:抗生物質やステロイド薬の点眼

■蚕食性角膜潰瘍

原因: 角膜組織が融解して、角膜の周辺部に潰瘍ができるもので、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患に合併する例もある。

治療法:ステロイド薬の内服、点眼または手術療法

備考:いずれも、ほとんど両目同時に発症する両眼性ですが、頻度の高い病気ではありません。

当院の医師紹介

院長: 新川 恭浩 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

常勤: 長谷川 二三代 (日本眼科学会認定 眼科専門医)