MENU

先天性緑内障

先天性緑内障とは

先天性緑内障とは、胎生期(受精した瞬間から約10ヶ月)での隅角の発達異常により、線維柱帯(せんいちゅうたい)の機能が生まれつき低下しているため房水の排出が悪く、眼圧が高い緑内障です。
子どもは眼の組織が軟らかいため、眼圧が高くなると眼球(とくに角膜)が大きくなり、牛眼ともいわれます。

先天性緑内障の頻度としては出産1万~1万2500人に1人といわれています。
生後3カ月以内に診断されたものでは両眼性が90%、3カ月~3歳までの間に診断されたものでは両眼性が60%です。

ほかの眼の異常や全身の先天異常を伴わない場合は「原発先天性緑内障」といい、
眼球の先天発達異常を伴うものや、母斑症や代謝異常など全身の先天異常を伴う場合は「続発先天性緑内障」といいます。
眼球では角膜や虹彩の異常、全身的には歯の異常や顔面異常、皮膚の異常など多岐にわたる合併が多くみられ、遺伝性のものも多いですが、遺伝形式は病気によって異なります。

主な自覚症状

乳児が光をいやがったり、涙が多かったり、まぶたのけいれんで気づくことがあります。
3歳以下では眼圧が上昇すると角膜が大きくなります。
3歳を超えると眼球が発達し、角膜の進展性がなくなっているため眼圧にも耐えることができ、角膜拡大はみられません。したがって、視力低下で見つけることが多く、発見が遅れ予後不良となりやすい傾向があります。
片眼性の角膜拡大は発見しやすいのが特徴です。

検査方法

眼圧検査隅角検査、視神経乳頭陥凹、角膜径などを検査し、診断します。
乳幼児の検査では催眠が必要です。角膜径は新生児で11mm以上、1歳で12mm以上の場合は注意が必要です。

主な治療方法

診断が確定すれば、原則として手術療法が行われます。
通常、全身麻酔をして、ゴニオトミーまたはトラベクロトミーという、房水の流れが悪くなっている隅角を切り開いて房水流出を改善する手術が行われます。
予後は約8割で眼圧を正常にコントロールできますが、新生児や2歳以降の発症では予後が悪く、角膜径が14mm以上では予後不良とされています。

担当医紹介

院長: 新川 恭浩 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

定期非常勤: 安藤 祐子 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

定期非常勤: 寺内 博夫 (日本眼科学会認定 眼科専門医)