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原発閉塞隅角緑内障

原発閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)とは

正常な眼は角膜と水晶体の間にある房水が絶えずつくられて排出されており、流れのバランスをとって眼圧を一定に保っています。(房水の詳細はこちら)

閉塞隅角緑内障は、房水の出口にあたる角膜と虹彩の付着部の角(前房隅角)が虹彩によってふさがれることにより房水の排出が困難になり、房水がたまって眼圧が高くなることによって起こる緑内障をいいます。

正常な目と原発閉塞隅角緑内障の目

原因

隅角が虹彩によってふさがれてしまう原因としては、体の構造による要因・加齢による変化・散瞳誘因(瞳孔が広がるような条件)があります。

■体の構造による要因としては、前房が浅い・眼軸長が短い・角膜直径が小さい・水晶体が厚い・水晶体が前のほうに移動している、などがあります。
■加齢による変化を伴うものとしては水晶体の変化や、縮瞳(瞳孔の縮小)があります。
■散瞳(瞳孔が広がること)は急性発作の誘発原因として挙げられます。眼科検査薬である散瞳薬や、興奮、暗い所などによって起こります。
また、読書やうつ向き作業では水晶体が眼球の前方へ移動することから、急性発作の誘発原因とされています。

閉塞隅角緑内障には、房水の排出口が急にふさがる急性型と、房水の排出口が軽く閉じたり開いたりを繰り返し、症状が治まったり悪化したりしているうちに排出口が慢性的に閉じてしまってじわじわ眼圧が上がる慢性型があります。

主な自覚症状

急性閉塞隅角緑内障は、発作が起こると突然眼圧が高くなり、激しい眼の痛みや充血、眼のかすみ、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が起こります。頭痛、吐き気などから内科を受診する人もいます。
放置してしまうと、ひどい場合は失明してしまいます。
50歳以上の遠視の女性に高頻度でみられ、検査では急激な眼圧上昇(通常10~21mmHgのところ、50~80mmHgに上昇)と隅角検査で閉塞隅角、充血や瞳孔の散大が確認できます。

慢性閉塞隅角緑内障は、病気の仕組みは急性型と同じですが、自覚症状のないままに徐々に房水の排出口の閉塞が広範囲に進むため、中期~末期になってから発見されることが多くなります。
検査では、中等度の眼圧上昇と、隅角検査で広範囲の隅角閉塞が確認できます。

急性と慢性の中間型として、軽度の発作を伴う亜急性というタイプもあります。

検査方法

眼圧検査
眼圧(目の堅さ)を測定します。
眼底検査
目薬(散瞳薬)でひとみを大きくして観察する検査です。
視野検査
一点を注視したときに、上下左右前方、どの位の範囲を見えているか視野計を用いて測定します。
DRI OCT Triton(3次元眼底像撮影装置)
網膜の断層画像を撮影する機械です。視野が欠ける自覚症状が現れる前に緑内障による網膜視神経線維層の欠損を捉えることができます。

主な治療方法

急性閉塞隅角緑内障の治療は、まず第一に点滴や内服・点眼による薬物治療とレーザー治療です。
薬物でできるだけ眼圧を下げたあと、排出口を閉じている虹彩にレーザーで孔(あな)をあけ、通りをよくします。この治療をレーザー虹彩切開術といいます。これは外来で行うことが可能ですので入院の必要はありません。
発作が片眼の場合は、予防的に反対の眼にもレーザー治療をします。レーザー治療で眼圧が下がらない場合や、レーザー治療が不可能なほど急性発作の程度が強い場合は、眼圧を下げる薬物治療や手術が必要になります。

慢性閉塞隅角緑内障の治療は、急性型と同様にまずはレーザー虹彩切開術で、それでも眼圧が下がらない場合は薬物治療や手術が必要です。
慢性型は多くが中期~末期の進行した時点で初めて発見されるため、手術治療が必要になることが多いという特徴があります。

担当医紹介

院長: 新川 恭浩 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

定期非常勤: 安藤 祐子 (日本眼科学会認定 眼科専門医)

定期非常勤: 寺内 博夫 (日本眼科学会認定 眼科専門医)