手術を受けるタイミングはいつがいいのでしょうか?
手術を受けるタイミングは個人差があるものです。
ご自身で生活に不便を感じてきたら、手術をうけるべきかどうかを医師と相談しましょう。
仕事は何をしているのか、お車の運転はするのか、全身疾患があるのか、年齢、家族構成などを考えていき、手術するべきなのか医師と決定していきます。
手術にはどのくらいの費用がかかりますか?
3割負担の方で約44000円~、1割負担の方で、約15000円~です。
手術代金の他に検査代もかかります。3割負担の方で約6000円~、1割負担の方で約2000円~です。
また、高額療養費の対象となる場合になることもあります。
高額療養費制度とは、高額な医療費による負担を軽くするために、医療費の一部負担額が自己負担限度額を超えた場合に、超えた分の払い戻しを受けられる制度です。
高額療養費の払い戻しを受けるには申請が必要です。申請については加入されている保険者に申請します。
国民健康保険の場合は市区町村の担当窓口、その他は、加入している健康保険の窓口です。保険証に記載されておりますので、ご確認ください。
患者様の年齢、所得によって自己負担の限度額は異なります。
詳しくはスタッフまたは役所にお尋ねください。
他にもご加入の保険で、白内障手術が給付の対象となっている場合もありますので、ご確認ください。
白内障の手術は入院の必要はないのですか?
医療技術の進歩により、白内障手術の安全性は飛躍的に向上し、10~15分程度でおわりますので日帰りの手術も一般的となっています。
メリットとしては、日常の生活のリズムを変えずに手術を受けられること、入院による拘束がないため、早期の社会復帰が可能になることです。
また、入院費用がないため、手術費用を安くおさえることができます。
手術はどのくらい時間がかかりますか?
通常は10~15分程度ですが、白内障がかなり進行している場合や、散瞳が悪い場合など目の状態によっては、30分くらいかかることもあります。
患者様には、手術の1時間前に来院していただき、点眼薬や点滴などをさせていただきます。
お帰りは1時間ほど休んでいただき、今後の注意点を看護師から説明させていただいてからご帰宅となります。
白内障は再発することはありますか?
白内障は、水晶体が濁る病気です。その濁りを手術で取り除きますので、白内障は再発しないと考えてよいです。ただし、数ヵ月から数年経って、水晶体の袋の内側にわずかに残った水晶体細胞が増殖し、袋が濁ってきて、視力が低下することがあります。これを『後発白内障』といいます。再手術をする必要は無く、外来でレーザー治療(YAGレーザー)すれば、ほとんどの場合視力を回復させることができます。
普通の生活に戻れるのはいつからですか?
術後の注意点を考える上での基本は、目の中に菌が入らないようにすること、目を押さないようにすることです。
術当日はなるべく安静にして体を休めてください。
術翌日からは、目をつぶって目に水が入らないようにすれば、洗顔・洗髪可能です。
飲酒、タバコは過度でないかぎり、術翌日から可能です。
術後は目を使ってはいけないと思い、テレビや読書など目を使う作業を控える患者さまがいますが、目は消耗品ではありません。疲れない程度に目を使って頂いて結構です。
車の運転は、術数日で見え方に慣れたら再開して頂いて結構です。(個人差があります。)
運動に関しては、散歩やウォーキングなど、あまり汗をかかない軽い運動であれば、術1週間程度すれば問題無しです。水泳など目に水が入る可能性があるものは1~2ヵ月待つようお願いします。
白内障手術には合併症がありますか?
比較的安全だといわれている白内障手術ですが、手術ですので100%ではありません。以下のような合併症が起こる可能性があります。
1.駆逐性出血
手術中に眼圧が下がることによる起こる脈絡膜からの出血のことです。
2.後嚢破損
手術中に水晶体の袋が破けてしまうことで、眼内レンズ挿入は可能ですが、手術に時間がかかることや、見え方が改善しないなどがあります。
3.後発白内障
白内障手術を行った後に起きる水晶体の袋の濁りのことです。
原因と症状
白内障手術後の合併症で、早いケースでは手術をしてから数週間後、遅いものだと数年経ってから見られるものもあります。原因としては白内障手術時にごくわずかに残った水晶体の細胞が増殖していくために起こり、白内障手術前のようにくもったり、かすんで見えたりします。混濁が少しずつ進行すると症状が分かりにくい場合もあります。
治療方法
白内障手術後、時間経過とともに後嚢が多少混濁しても視力に影響がなければ、そのまま放置しておいても問題はありませんが、もし後発白内障のために見づらさを強く感じるようになればYAGレーザーにより水晶体嚢の濁りを取り除くため、後嚢を切開する処置を行います。後発白内障への治療は入院することなく外来で行うことができます。処置自体は数分で終了し、痛みもありません。翌日には元の視力に回復します。治療費は5000円ほどです。
4.術後眼内炎
手術中あるいは術後に、傷から目の中に細菌などが入り眼内で強い炎症を起こすことです。まれに無菌性の場合もあります。
原因と症状
手術の切開部から眼内に微生物が入ることによって起こります。起きる頻度は1/5000と言われています。感染の多くは細菌が原因で、細菌性眼内炎といいます。
視力低下はもちろん、強い眼痛を伴います。
治療方法
抗菌薬を硝子体内に注射や、点滴静注などにより全身投与します。進行しているものでは硝子体手術を行い、目の中の細菌を完全に取り除きます。
5.眼内レンズの度数ずれ
眼内レンズの度数は、手術前の検査での眼の形や、眼の長さを元に決めていきます。度数の計算は以前より正確にはなりましたが、眼の形が不整であること、水晶体の濁りが強いことなどがあると、正確に測定することが難しくなり、手術後の見え方が設定していた見え方と異なる場合があります。
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