ゴールドマン視野計
ゴールドマン視野計とは
視野計は見えている範囲と感度を検査する視野計です。中心の固視灯を見ていただいた状態で、周辺から中心へ光を近づけて、見える範囲をお調べします。
ハンフリー視野計と異なり、動いてくる光を用いて検査をするので「動的」、光の強さ・大きさを変えて感度を調べるので「量的」と表現でき、動的量的視野検査と定義されます。ゴールドマン視野計での検査結果は疾病の診断の他、身体障害者の視覚障害による等級判定にも用いられます。
医療用具承認番号:20600BZZ00194
提供メーカー
視野結果の表れ方
正常な方の視野結果
こちらがゴールドマン視野計で測定した正常な方の右目の視野です。
一番大きく強い光の視標で耳側に約100度、鼻側に約60度、上側に約50度、下側に約75度見えている正常な大きさです。
等高線のように引かれた線はイソプター(等感度線)と言い、視標ごとの感度の限界を示します。光が小さく弱くなるほど、イソプターは小さくなり、小さいイソプター内にある中心が最も感度が高いことがわかります。中心より耳側約15度にある青い丸は、マリオット盲点という部分です。
マリオット盲点とは
マリオット盲点とは誰にでもある「見えないスポット」です。目の奥、網膜にある視神経乳頭にあたる部分が、視野検査を行うとマリオット盲点として検出されます。視神経乳頭は網膜に写った像を脳に伝えるための視神経が束になって眼から脳へと向かう入り口で、視細胞が存在しません。
したがって、「マリオット盲点」と呼ばれる絶対暗点(一番強い光も感知できない部分)としてどなたにも存在する暗点として結果に表れます。
日常生活では両目で見ているので左右の眼が補い合い、片目で見る場合でも脳が補正をするので、日常でこのマリオット盲点を感じることはまずありません。
緑内障の方の視野結果
こちらは緑内障の方の左目の視野です。
・下鼻側の視野欠損
・下耳側度付近に絶対暗点
といった異常がみられます。
緑内障は視神経が障害を受ける疾病ですので、進行してくると視野に影響が出てきます。この例のような鼻側の欠ける鼻側欠損や鼻側階段の他、20~30度以内に暗点のできる傍中心暗点やブエルム暗点などが緑内障の特徴的視野です。
暗点は絶対暗点以外にも、強い光しか感知できない比較暗点と呼ばれる暗点もあり、進行とともに比較暗点が絶対暗点へ変化してゆくことも多く見られます。また、緑内障が進行してしまうと求心狭窄といい、中心に向かいどんどん視野が狭まってしまうこともあります。
疾病ごとの視野の表れ方
上の表は疾患ごとの右目の特徴的な視野を模式的に示したものです。
このほかにも、頭蓋内に腫瘍や外傷などがあり、視覚情報を脳に伝達する視路に障害が及んでいる場合にも視野異常がみられます。左右眼の視野欠損の形から、脳のどの位置に異変があるのかを推測することも可能です。
また、心因性視覚障害の視野異常でうずまき状の視野が検出される、らせん状視野などがあります。
視野検査を行うにあたって
片目の視野に異常が出はじめても、もう片方の正常な目が欠損した部分の情報を補ってしまうので、視野の異常は気付きにくい事が多いとされています。
検査は片目で30分程度かかります。お時間のかかる検査になりますので、検査の際にはご予約が必要になります。
上記は一般的な説明です。検査をご希望の方、症状が気になる方はスタッフ、医師にご相談ください。
医師のご紹介
院長新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)
所属学会
日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴
平成13年 熊本大学医学部卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~新宿東口眼科医院 勤務
平成27年9月 新宿東口眼科医院 院長 就任
掲載インタビュー
常勤長谷川 二三代
(日本眼科学会認定 眼科専門医)