FDTとは
緑内障かどうか判定するための視野検査は、従来は暗室で点滅する光を見る検査でしたが
FDTスクリーナーは、暗室ではなく通常の照明の下で検査ができます。
緑内障の疑いを判別する検査は、45秒程度。緑内障が強く疑われる場合の詳しい検査でも、片眼4分程度で終了します。
なぜFDTなのか
緑内障のスクリーニングにFDTを用いるのには理由があります。
緑内障は視神経が障害され、視野に影響を及ぼす病気です。特に初期の段階では、大きな物体や急激に変化する視標に反応する細胞から障害を受けます。
しかしながら、ハンフリー視野計などの光を用いた視野検査で感度の低下が見られる場合にはすでに20%以上の視神経細胞が障害を受けていると言われています。
したがって光視標を用いて検査を行うと、明るさや視標の面積を変化させ感度の定量が可能ですが、初期の変化を掴む事が困難です。その点FDTは正弦波格子模様(白と黒の縞模様)を交互に反転させたものを視標にすることで初期に障害される細胞に関与する刺激を与え検査をしますので、緑内障のスクリーニングに適していると言われています。
医療用具承認番号:13BY6429
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視野結果の表れ方
正常の視野結果
こちらが、視野異常の検出されない、正常な右目の結果です。検査を行った16個すべてのブロックにおいて異常は検出されていないのがわかります。
検査の信頼性は下の
FIXATION ERRS(固視不良)
FALSE POS ERRSS(偽陽性)
の数値を参考にします。
固視不良とは、検査中中心の固視点以外に目線が動いてしまう事で、偽陽性とは何の視標も出ていない時にボタンを押してしまう事です。
この固視不良と偽陽性は機械が検査中に3回ずつチェックを行います。信頼性の低い場合は再検査を行うこともあります。また、右の黒い点はマリオット盲点は誰にでもある見えないスポットで、眼の奥網膜の視神経乳頭という部分にあたります。
正常範囲外の視野結果
こちらが視野異常の検出された左目の結果です。一番右上のブロックが偏差確立プロットの1%以下、他の3ブロックが2%以下で検出されています。
偏差確立プロットは各ブロックにおける年齢別の健常値との際の差異の標準偏差を示し、パーセンテージが低いほど異常性の確立も高くなります。
ただし、緑内障でない方でも右のような結果が得られる場合もあります。理由としては不慣れである場合や、先に検査を行った残像が残っている場合が考えられます。当院ではこういったケースを見分けるために、片目の検査の後5分ほど残像を消す時間を設けたり、右のような結果が検出された場合に再検査を行っています。
視野検査を行うにあたって
片目の視野に異常が出はじめても、もう片方の正常な目が欠損した部分の情報を補ってしまうので、視野の異常は気付きにくい事が多いとされています。日本人は40歳以上の方の17人に1人は緑内障であると言われています。
上記は一般的な説明です。検査をご希望の方、症状が気になる方はスタッフ、医師にご相談ください。
医師のご紹介
院長新川 恭浩
(日本眼科学会認定 眼科専門医)
所属学会
日本眼科学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本網膜硝子体学会、日本眼科手術学会
経歴
平成13年 熊本大学医学部卒
平成14年 京都大学医学部 眼科学教室入局
平成14年 島田市立島田市民病院 勤務
平成20年 高松赤十字病院 勤務
平成22年 公益財団法人田附興風会 北野病院 勤務
平成26年10月~新宿東口眼科医院 勤務
平成27年9月 新宿東口眼科医院 院長 就任
掲載インタビュー
常勤長谷川 二三代
(日本眼科学会認定 眼科専門医)